フィルムカメラ好きなら一度は見て欲しい、フィルムで撮られた映画『海街ダイアリー』
先日、遅ればせながらDVDを借りてきて是枝裕和監督の『海街ダイアリー』を見ました。
公開から1年以上経ってますし、だいぶ今さら感がありますが、よかったんだもの。その気持ちを伝えたいわけです、はい。
(※一部ネタバレあるのでご注意ください)
是枝監督作品は『誰も知らない』と『そして父になる』を見たことがあるんですが、ネグレクトだったり、出生児取り違えだったり、実際の社会問題をテーマにした映画だったので、そこからの『海街ダイアリー』はちょっと毛色が違うような印象です。
休みの日にTSUTAYAに行って割と軽い気持ちで手に取ったんですが予想以上によかったんですよこれが。
まず言えるのが、映像がやたらと綺麗。色味というか深みというか、おいおいこれどうやって撮ってるんだよ、とツッコミたくなるくらいです。
照明のおかげ!?編集のおかげ!?役者の溢れる魅力のおかげ!?いやいや、それはフィルムのおかげ。(フィルムで撮られてるってことは後から知ったけど…)
予告編だけでもその良さがわかりますよ。
ボケがすごい綺麗じゃないですか?すごい立体感。階調表現も美しすぎる。特に(髪とかの)黒の表現がすごい。
DVDを借りて見る場合は、ぜひ部屋の電気を消してカーテン閉めて、その世界観に埋没していただきたい。
その場の空気感も伝わってくるような感じで、改めて思うわけですよ。あぁ、フィルムっていいなって。
一番のお気に入りが、すず役の広瀬すずさんが冬場の寒い朝に目覚めるシーンなんですよ。何でもないシーンなんですが、まだ人が起きていない時間帯のしんと張り詰めた空気というか寂しさというか切なさというか…。何かこういう瞬間ってあったな、なんて。センチメンタルな気分になったりもするわけです。
ほんとにちょっとしたシーンなんですけど、このシーンを見るためだけにもう一回DVD借りてもいいなってくらい素晴らしかった…。
撮影監督は瀧本幹也さん。『そして父になる』に引き続き、是枝監督とタッグを組むのは二回目ですね。もともと写真家の方ですが、CMとかもやられている売れっ子です。深津絵里さんとリリー・フランキーさん出演のダイワハウスのCMとかも。あれも空気感が素敵ですよね。
ちょっと話が逸れますが、瀧本さんのウェブサイトが最近リニューアルされていい感じになってます。海街ダイアリーの写真も見れますよ。
mount.incのイム ジョンホさん制作。さすがのお洒落感。
なんか最近フィルムで写真を撮る機会が少なくなりつつあったのですが、この映画を見て改めてフィルムの良さを再認識した今日この頃です。
そう言えばportra400がまだ一本残ってたなー。あー思いっきり人撮りたくなってきたああぁ。